この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。
企業倫理の重要性
時に、企業のトップに立つ者は、圧倒的な責任とストレスと隣り合わせで日々を過ごします。
しかし、この重圧が、果たして私的な出費を企業に転嫁する理由になりうるでしょうか。
会社員として、この問いは非常に重い意味を持つと言えるでしょう。
最近公表されたタムロンの報告書は、前社長と元社長が私的な飲食費用を会社の経費で賄っていた事実を浮き彫りにしました。
なんと総額1億6000万円以上が個人の欲求に使われたのです。
これはただの数字ではありません。信頼という企業の無形資産を蝕んだ行為と言えるのです。
社長業のストレス解消
小野元社長は「社長業のストレス解消」としての必要経費だと弁明しましたが、この説明は私たちにとって受け入れがたいものです。
小野元社長は「社長業の重圧によるストレスを解消するための必要経費だった」と説明し、相談役になってからもこうした費用を会社負担にできる理由について「会社の経営に口出しをすることを我慢することにより生ずるストレスを発散する必要があった」と弁明したということです。
ストレスは、それがどんな職位であれ、全ての仕事に付随します。
だからといって、それを会社の負担にすることが許されるわけではありません。
コンプライアンスもない会社
この事件は、会社を運営するうえでの倫理観の重要性を再確認させます。
トップがこのような行為を行うことは、社員の士気を損ない、会社の文化にネガティブな影響を与えかねません。
さらには、ステークホルダーの信頼を失うことにも繋がります。
報告書は、役員に対する倫理研修を提案しています。
これは単なる形式的な措置ではなく、会社が正しい方向へと舵を取り直すための、具体的な第一歩であるべきです。
企業文化の改革は一朝一夕には達成されませんが、正しい行動を積み重ねることで、徐々に信頼を取り戻すことができるでしょう。
会社が選んだ社長だが
私たち会社員は、これらの問題を自らの仕事における倫理と照らし合わせ、学び、成長する機会とするべきです。
そして、個々のポジションで責任を持って行動することで、企業全体の倫理観を高めることに寄与することができるのです。
最終的に、企業倫理はただの規則や制度ではなく、それぞれの心の中に根ざすものでなければなりません。
それには、日々の小さな決断が、大いなる違いを生むのです。