墓から石棺計2個を盗んだとして、沖縄県警本部署は1日、窃盗と墳墓発掘の疑いで那覇市の霊媒師・渡久地十美子(とぐち・とみこ)容疑者(83)を逮捕した。

 調べに対し「声が聞こえて導かれてやった。勝手にはやっていない」などと供述している。さらに「許可は取った」などと主張するものの「誰の許可か」と問いただすと、具体的な言及は避けるという。

 本部署によると、逮捕容疑は2019年6月23日午後2時ごろ、本部町の墓の中から、石棺計2個(計200万円相当)を盗んだ疑い。墓は渡久地容疑者いわく「琉球王朝時代のもの」とし、盗む際に石棺内に入っていた遺骨は墓に残し、棺のみを運び出したという。渡久地容疑者には多数の支援者がおり、相当な人数で「白昼堂々」(捜査関係者)盗み出したもようだ。目撃者も多数おり、事件が発覚した。

 石棺は渡久地容疑者の関係者の自宅敷地内から1つは発見されたが、もう1つはまだ見つかっていない。

 渡久地容疑者は自らをカミンチュ(神人)と称しており、沖縄県内では知る人ぞ知る存在だという。