なぜ社長は白を切るのか?日本生命・情報持ち出し問題に感じる違和感

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日本生命の社員が、出向先の銀行から保険販売に関する内部資料を無断で持ち出し、社内で共有していた――。

このニュースは業界内に衝撃を与えましたが、それ以上に私が驚いたのは、社長や経営陣の対応です。

報道によれば、問題の社員は社長の命令ではなく、会社ぐるみの指示でもなく「自主的」に行動したとのこと。

しかし、本当にそれで済まされるのでしょうか?

というのも、この資料には「どの金融商品を売れば高評価につながるか」といった、銀行にとって極めて戦略的な情報が記載されていたとのこと。

そんな重要情報を一社員が自らの判断で持ち出し、社内で活用していたとすれば、それはそれで企業文化の深刻な問題です。

しかも、こうした情報をもとに銀行への営業活動が行われていたとすれば、単なる個人の過失ではなく「組織的な利益享受」があったのでは?という疑問が湧いてきます。

近年、乗り合い代理店に出向した社員による顧客情報の持ち出しなど、保険業界では倫理や法令順守が揺らいでいます。

そんな中で、「ご迷惑をおかけしました。再発防止に努めます」というテンプレートのような謝罪だけでは、信頼回復には程遠いのではないでしょうか。

問題の本質は、「個人の暴走」として処理されがちなケースの裏に、企業文化や管理体制の甘さが潜んでいること。なぜトップが本気で責任を取ろうとしないのか。

それこそが、最も恐ろしい問題なのです。

この社員たちは日本の 刑事罰に問われないのでしょうか?それはなぜでしょうか?不思議でたまりません。

個人情報データベース等の不正利用のために盗用した場合の罰則個人情報データベースなどを不正に利用する目的で盗用した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金でしたが、法改正後は厳罰化され、法人の場合、最高1億円の罰金が科せられる可能性もあります。

信頼は、一度崩れたら戻りません。
本気の再発防止策と、トップ自らの説明責任が今こそ求められています。