損保ジャパンの白川社長。ビックモーターの不正請求で嘘がバレても黙殺か。損保業界のスルガ銀行?

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

損保ジャパンがビックモーターと癒着か

 

黙殺していたビックモーターの事件がやっと動いた。

ビックモーターの黙殺で今回の不正請求が終わるかと思われていましたが、ここになってやっと動きが出てきた。

そこには損保ジャパンンの不正体質が浮き彫りとなっている。

 

中古車販売大手・ビッグモーター(東京都港区、兼重宏行社長)が、事故車修理における保険金を不正に水増し請求していた問題で、損害保険ジャパンとの癒着疑惑が一段と強まってきた。

疑惑を解明するうえで、最大の焦点となるのは「営業ノルマ」だ。

「アット」と呼ぶ営業ノルマの実態

不正の経緯などについて調べた特別調査委員会(委員長・青沼隆之弁護士)の報告書によると、ビッグモーターの板金部門は、全国に最大で33あった工場に対し、「アット」と呼ぶ営業ノルマの達成を強く求めていた。

同社においてアットとは、車両修理1件当たりの工賃(作業代金)と、交換した車両パーツの粗利益(販売代金から仕入れ代金を引いた金額)の合計額を指す。

その平均値を上げるようにノルマを課し、平均値が低い工場の責任者を本社役員などが会議の場で厳しく問い詰めたり、見せしめのように降格処分にしたりといったようなことが常態化していたという。

しかし本来、修理1件当たりの工賃は持ち込まれた車両の損傷状況によって決まるものだ。工場スタッフの営業努力によって上げるものではない。

にもかかわらず工賃をノルマに設定していたことの意味について、ある工場スタッフは「(水増し請求の)不正を指示しているのだと思った」と調査委に証言している。

つまり、損傷のない車両のパネル部分に、あえて板金塗装を施すといった手口で水増し請求に手を染めなければ、達成が容易ではないようなノルマを本部が設定していたということだ。

報告書においても、水増し請求によって「手っ取り早く目標を達成しよう

とするものが現れることは(本社は)容易に予測できた」「著しく不合理で、大きな問題であった」と指摘している。

ここでさらに問題となるのは、ビッグモーターの幹事保険会社であり、日本の大手損保4社の一角である損保ジャパンの動きだ。

損保ジャパンはいったいなぜ、水増し請求の温床となった営業ノルマの存在を認識していながら、これまで是正しようとしなかったのか。

「目標推進は担当業務外であったことから、目標の存在自体に違和感を抱き、その適切性や運営実態などの詳細を把握して是正するところまで至らなかった」。損保ジャパンはそう説明している。

ただ、その説明を額面通りに受け取る人物は損保業界にはいないだろう。

5人の出向者を送り込んでいた

なぜなら、損保ジャパンは板金部門に5人の出向者を送り込み、工場長が集まる会議に同席したり、教育係として工場スタッフと日々やり取りしたりするなかで、営業ノルマが及ぼす影響を「間近で確実に見ていた」(大手損保幹部)からだ。

それでも営業ノルマに違和感を抱かず是正しなかったのは、ビッグモーターと当初から裏で握り合っていたからではないかと思われても仕方ない。

水増し請求の発覚当初から、営業ノルマがその温床になっていることは、業界内でささやかれていたことだ。

にもかかわらず、損保ジャパンは水増し請求の真因について、営業ノルマにはまったく触れずに、「工場と見積もり作成部署との連携不足や、作業員のミスなどによるもの」「意図的なものでないことを確認している」というビッグモーターの主張を全面支持。

不正ではなく、過失であることを損保ジャパンとしても確認したなどと言って、ほかの損保各社が停止していた事故車のビッグモーターへの入庫誘導(保険契約者から事故報告があったとき、損保や損保代理店が修理工場を紹介すること)を早々に再開した経緯がある。

その過程で何が起こったか。不正疑惑を厳しく追及してくる東京海上日動火災保険と三井住友海上火災保険の自賠責(自動車損害賠償責任保険)の取り扱いを、ビッグモーターが一部の店舗に対して「停止するよう指示」(同社関係者)したのだ。

それにより、自賠責の契約は損保ジャパンへ一気に流れていった。

つまり損保ジャパンは、ビッグモーターの営業ノルマを黙認し、損保他社が追及している不正疑惑に目をつぶるような形で、結果として自賠責の契約増という利益を享受していたことになる。

その後、東京海上などの調査によって組織的な不正請求の実態が徐々に明らかになると、損保ジャパンは慌てたように入庫誘導を再び中止している。

癒着を「必要悪」で済ますのか

損保ジャパンはなぜこのような不可解な対応をしたのか。ビッグモーターと損保ジャパンが癒着していたと考えると、ぴったり辻褄が合ってしまうのは果たして偶然なのだろうか。

いみじくも調査委は報告書の中で、板金業界においては「保険金請求にあたって、過剰な修理や実際に加工した工数以上の請求といったことは、業者の規模にかかわらず常態的に行われてきた(中略)と述べる者も複数いた」と明かしている。


特別調査委員会がまとめた原本を都合よく改変した「ビッグモーター版」の調査報告書(写真:記者撮影)

過剰な修理とそれに伴う保険金の不正請求は、整備工場と損保が長年抱えてきた「闇」であり、両者が利益を確保するための「必要悪」だったのかもしれない。

だが、それを国内最大手の中古車販売店であるビッグモーターにおいても当然のように横行させ、表面化しそうになると必死になって隠して見返りを受けていたのであれば、その罪の大きさは計り知れない。

ビッグモーターによる水増し請求問題で、損保ジャパンはこれまで癒着疑惑について説明責任を果たそうとしてこなかった。

疑惑の色が日増しに濃くなる状況で、どうケジメをつけるつもりなのか。潔白なのであれば堂々と公に説明しなければ、不信感は広がるばかりだ。

東洋経済オンラインから引用

 

この損保ジャパンからの出向者が逆に一役買っていたとしても不思議はない。

なぜならかつてこの会社に勤務していた筆者が不正、隠蔽の現場を見てきたからである。

私事ではあるが「来年からあなたの役職では給与が半分になる」と言われ泣く泣く早期退職に応じたが事実後で社員に聞いたところでは半分になどなっていなかった。

部長が社員を辞めさせる人数のノルマを達成するために、わざわざ嘘の給与体系まで作成し(その場で取り上げられた)各社員に話をしていたのだ。

 

白川社長の嘘

 

今回の不正発覚を受けて他の損保会社がビッグモーターへの事故車修理の紹介を停止しているなかで損保ジャパンだけが、「調査したが問題なし」として抜け駆け的に再開し、それによって自賠責保険の売上を伸ばしていた。

保険業界トップクラスの企業として倫理的に明らかに問題といえるし、今後、損保ジャパンの関与の有無が焦点となってくるだろう。

今回の不正請求問題は年上部下への遠慮によって、保険会社が看過してよいようなレベルの事案ではない。

「最悪の場合、刑事事件化する悪質な事案」(金融庁幹部)であり、損保ジャパンとしてのコンプライアンス(法令順守)体制が厳しく問われることになる重い問題である。

損保ジャパンは旧安田火災であり「やくざ火災」の異名をとり、かつて金融庁が損保業界のコンプライアンス問題に介入した際の引き金にもなっている。

前社長が社員を介護に人事異動させると言って社員から反対されると「言葉が足りなかった」と言ってすぐ撤回。

今回、白川社長はどのような言い訳で逃げるのか見ものである。

 

それ以外にも不正が

 

現在私が知る範囲でも損保ジャパンの不正は多数ある。

楽して嘘をついてお金を稼ぐという保険会社らしくない体質は自助努力ではどうにもならないと思う。

根本から「コンプライアンスを守る」ということを社員を総入れ替えてして徹底した方がいい会社である。

これでは損保業界の駿河銀行と言わざるおえない。